健康維持のため、さわやかに体を動かして下さい。
中高年の方の、成人病や老化防止のための運動法の基本原則をご紹介します。

運動を始める前に

  • 年齢が高くなるほど運動能力の個人差が大きいので、健康診断を定期的に受け、普段から自分自身の健康度や生理的能力を客観的に把握し、無理の無い計画を立てること。
  • すでに心臓病、高血圧、糖尿病、骨粗・症等の持病のある場合は必ず医師の指導を受けること。

中高年者に適した運動とは

体を鍛えるための過激な辛い運動ではなく、健康を維持するための穏やかで趣味的要素があり、楽しく習慣的に続けられる運動であること。

瞬発力や敏捷性、激しい筋力労作を要求される運動ではなく、ゆっくりと酸素を取り込み、無理なく筋力や柔軟性を高め、神経や筋肉の協調性を高める運動であること。

具体的には次のような種目が適している。散歩、速歩あるいは軽いジョギング、ゴルフ、ゲートボール、ゆっくりした水泳、サイクリング、ダンス、舞踊、リズム運動、太極拳、ヨーガ等々。

運動の強度の決め方

様々な決め方があるが、最大運動能力の60ー40%程度の強度に止めることが安全かつ有効。
例えば運動時の酸素摂取量とほぼ比例する心拍数を目安にすると、次の式で60%強度の運動量が計算できる。

(220ー年齢ー安静時心拍数)*60/100%+安静時心拍数
例えば60歳で安静時心拍数が1分間70回であるときは、
(220ー60ー70)×60÷100+70=124
となり1分間124回の心拍数になる運動が60%の強度の運動量ということになる。

但しこの式はあくまで健康な人の目安であって、心臓病や高血圧等の疾患がある場合は、医師の指導にを受けること。

運動時の注意事項

体操や深呼吸など適切な準備運動と整理運動を行なうこと。
時々激しく運動するのではなく、少しずつ続けて運動すること。
疲労を積み重さねぬよう、十分な休息をはさむこと。
例えば30分運動して15分休むより10分運動して5分休むことを3回繰り返すほうが疲労は少ない。
気候に配慮し、寒暖の激しいときや体調の悪いときは無理をせぬこと。
運動直後に暑い風呂に入ったり冷たいシャワーを浴びたり、飲酒をしたりせぬこと。