佐藤 猛 神経内科顧問
(順天堂大学脳神経内科客員教授、 国立精神神経センター国府台病院名誉院長)
1. どんな病気ですか??
パーキンソン病関連疾患、中脳と大脳に異常なリン酸化タウ蛋白が蓄積する病気です。
65歳以上では10万人に7-8人発症します。遺伝はしません。
足がすくみ、よく転倒、動作が緩慢になり、頚部や肩関節がぎこちなくなります。
上下を注視する際、眼球が動かない、むせ易い、小声などパ-キンソン症状も出ます。
物忘れ、周囲の状況に無関心になるなど認知症もみられます。
2. 薬や治療法は??
パーキンソン薬、認知症薬が効く症例もあります。合併症の早期診断、予防が大切です。
3. もの忘れの患者は注意
物忘れなど認知症の症状だけで始まりアルツハイマ-病と診断されていたのに、数年後にはじめて進行性核上性麻痺と診断される症例もあり、神経内科医の診察が大切です。
4. すくみ足、転倒
歩行開始時、足がすくみ、よく転倒します。骨折、頭部打撲の危険があります。
杖、バギー車を早めに使用すること、室内の安全対策が大切です。
5. 主な合併症
1. 嚥下障害
2. 便秘
3. 怒り易い、興奮する、錯乱状態になる
4. 下肢の浮腫、血行障害
5. 手や足の拘縮
6. 高熱、肺炎
7. 脱水症、脳症
8. 入浴中の死亡
9. 火の不始末、火事
医療福祉制度、特定疾患の申請にて医療費助成の制度があります。