佐藤 猛 神経内科顧問
(順天堂大学脳神経内科客員教授、 国立精神神経センター国府台病院名誉院長)
1. 高齢化社会と認知症
認知症患者は190万人、65歳以上では2.5%、80歳以上では15~25% 存在。
2. 症状は??
- [認知症状(中核)]
物忘れ、日付、場所が分からなくなる、計算力、判断力が低下。 - [周辺症状]
不安、抑うつ、閉じこもり、興奮、不眠、徘徊、幻覚、妄想、尿失禁。
3. 薬は?
- 1. アリセプト、 発売予定:ガランタミン、メマンチン
- 2. 漢方薬:抑肝散で興奮性、怒り易いなどの症状を和らげます。
4. 認知症の原因となる主な病気
- アルツハイマ-病(アルツハイマ-型認知症と同じ)
- パ-キンソン関連疾患(レビ-小体病、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症など)
- 脳血管障害、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、甲状腺機能低下、アルコール中毒
5. 認知症の経過中にパ-キンソン症状が加わると、病状が急速に悪化する
- 発病はじめには認知症状だけでも、経過中に1/3はレビ-小体病や進行性核上性麻痺の症状が加わります。
- 発病から5年以内に半数が車いすとなり、進行が速くなるので、早期診断と合併症の予防がとても大切です。
6. 主な合併症
- 1 嚥下障害, 肺炎
- 2 転倒、骨折、頭部打撲
- 3 便秘
- 4 下肢の浮腫、血行障害
- 5 脱水症、脳症
- 6 入浴中の死亡
医療福祉制度、特定疾患の申請にて医療費助成の制度があります。