佐藤 猛 神経内科顧問
（順天堂大学脳神経内科客員教授、 国立精神神経センター国府台病院名誉院長）
１．どんな病気ですか？
- パ－キンソン病では中脳にある神経細胞にレビ-小体と呼ばれる封入体が出現、これは異常化した
- アルファーシヌクレインたんぱくが蓄積したもので、細胞が傷害され変性します。
- そのため神経伝達物質のドパミンが欠乏する病気です。
- レビー小体病は、中脳以外の大脳や全身の自律神経系の細胞にも異常化したアルファーシヌクレイン
- たんぱくが蓄積する病気です。
- パ－キンソン病は65歳以上では10万人当たり100名の発症者がおり、その半数以上はレビ－小体病です。
2. 症状は？？
- パ－キンソン病は運動症状が主、レビ－小体病は運動症状にさらに
自律神経症状や認知症が加わった病気です。 - [運動症状]
動作緩慢、四肢のふるえ、関節運動が固くなる、小声、むせ易い、表情が乏しくなる、
こきざみ歩行など特徴です。 - [自立神経系]
起立性低血圧、失神，便秘、尿が出にくいなど。 - [大脳の症状]
認知症，幻覚・妄想（具体的で生々しい）、不安，不眠，臭覚低下など
3. 薬や治療法は？
- 1. メネシット、EC-ドパ－ル：少量から
- 2. 補助薬：ビ・シフェロール、カバサール、トレリーフ、ドプス、シンメトリルなど
- 3. 幻覚，妄想に対して抗精神病薬を少量投与，症状改善に応じて減量