佐藤 猛 神経内科顧問
(順天堂大学脳神経内科客員教授、 国立精神神経センター国府台病院名誉院長)
1. 現実と空想との取り違え、正常の判断が出来ない、短気で強情になる。
[ 認知症の方にみられる症状 ]
- ● 食事を忘れ、何回も要求する。
- ● 無闇にお菓子など買い、糖尿病が悪化する。
- ● お金を盗られたと騒ぐ。
[ 問題への対応の原則 ]
- ● 直ぐには否定しない。
- ● 話題を変え、関心をそらす。認識の程度、思考に合わせる。
- ● 回想法:患者が生き生きと話し出すような昔の懐かしい話題、歌、写真、絵を用意。
- ● ペット、子供と接する機会をつくる。
2. 生活、行動の異常
[ 認知症の方にみられる症状 ]
- ● 尿・便の失禁・室内で放尿・便こね
- ● 不潔(入浴拒否・着替えしない)異食(鉢植えの植物・腐敗食品など)
- ● 夕方、実家に帰ると身支度をし、出掛けようとする。
[ 対応の原則 ]
- ● 行動の動機、うっ屈した心理状態をうかがう。
- ● 叱らない、説得しない。
[ 対応の原則 ]
- 「ダメじゃない」
- 「何度言ったら分かるの」
- 「何でこんなことをするの」
3. 有能な介護者の特質
- ● 患者の人格、尊厳に思いやりがある。
- ● かけがえのない生涯の歴史を振り返り、親、あるいは夫婦としての敬愛の気持ちを込めて接する。
- ● 洞察力と熱意を備え、喜んで行動する。
- ● 「頬笑みを浮かべて奉仕を」
- ● 「さあ、腕まくりをして仕事を始めましょう。何とかなるでしょう」
< 参考文献 >
- 1. Caregiver. Canadian study of health and aging. (www.csha.ca/)
- 2. Caring to help others, Williams G.B & Kay P, Cited Press, N.Y, 1995
- 3.エイザイCo, & ファイザ-Co.2010.(www.e-65.net/care01)
- 4. 鎌田ケイ子「チャ-トで展開する痴呆ケアマニュアル」高齢者ケア出版,2000