花粉症とは花粉が原因物質となって鼻や目の粘膜にアレルギー反応が生じ、鼻炎や結膜炎を起こすアレルギー疾患です。
花粉はアレルギー体質でない方にとっては鼻や目に入っても単なるゴミとして排泄処理されてしまうのですが、アレルギー体質を有する方では、大変な有害物質が侵入したかのように認識されてしまい、花粉に対して過剰な免疫防御反応が起こり、その結果、免疫担当細胞から遊離される様々な化学物質の刺激により粘膜に炎症が生じ、くしゃみ、鼻水、はなずまり、涙、かゆみなどの症状が現われます。

花粉症予防の基本原則

  1. 花粉の侵入を防ぐこと
    花粉症の原因になる花粉には春先のスギ花粉の他にも、4月から6月の松、かもがや、夏のぶたくさ、秋口のよもぎ等々様々なものがあります。
    血液検査で比較的簡単に原因となっている花粉の種類がわかりますので、身近の植物や雑草が原因のときは除草して下さい。
    一般に、気温が高く乾燥した風の強い日に花粉の飛散量は多く、一日の内では、植物の開花する朝方から午前中に多いので、このような時には窓の開け放ちや外出を避け、外出時は眼鏡、マスク、ぼうし等の着用により少しでも花粉の侵入を防ぎ、帰宅したら衣服に付着した花粉を家内に持ち込まぬよう注意しください。
    掃除機や濡れ雑巾で、まめに室内を掃除し花粉を除去して下さい。
    寝具、衣服、ソファなどにも掃除機をかけて下さい。静電気式のエアクリーナーは室内の浮遊花粉除去に有効です。うがいや洗鼻、洗眼も有効ですが、洗浄法などについては、医師の指導を受けて下さい。
    マスコミで報道される花粉飛散予報等も参考にして下さい。
  2. アレルギー反応が起こりにくいよう体調を整えること
    日頃からストレスを解消し、過労を避け、十分な睡眠を取り体調を整えて下さい。

    乾布まさつ等による皮膚の鍛練もアレルギー疾患の発作の予防に効果があるといわれています。
    酒・煙草・感冒・蓄膿症など粘膜のアレルギー症状を助長する因子や疾患も適切に治療しておきましょう。
  3. 医師と相談の上、適切な予防療法や対症療法を受けること 
    内服、点鼻、点眼、注射薬等で、アレルギーが起こる前から、治療を開始しアレルギーの程度を軽くする予防療法と、既に現われてしまった症状を軽減する対症療法があります。
    また微量のアレルゲンを繰り返し皮下に注射しアレルギー反応を抑制する減感作療法も有効なことがあります。毎年決まってアレルギー症状が起こる方はひどくなる前から、予防療法を開始することが肝心です。早めに医師に相談して下さい。