近年病原性大腸菌O-157が猛威を奮い無念にも尊い命が失われました。発生は沈静化しつつありますが、感染経路が充分解明されておらず、菌が産生する毒素に対する治療法が確立されていないことから、今後も冷静な対応と予防が望まれます。

O-157の感染様式が普通の食中毒と異なる点として家庭内での二次感染が揚げられています。感染者のほとんどは5~10日で回復するとのことですが、回復後1~2週間は排菌を続けるといわれます。

下痢症状がある場合、早めに医療機関を受診していただくことはもちろんですが、感染初期で血便など O-157感染によく見られる症状にに乏しい場合、便中の菌を培養して調べ、O-157感染かどうか判断するまでに少なくても4-5日が必要です。

 

下痢患者さんのご家庭で特に乳幼児や高齢者等抵抗力の弱い方が居られる場合は念の為下記の予防法に充分ご留意下さい。

  1.  手をよく洗いましょう。調理を始める前、肉類を扱った後、用便後などは石鹸と流水でよく洗いましょう。下痢患者さんは専用のタオルを使用しましょう。
  2. 下痢患者さんが便をしたら 直接、便がふれないように注意し、便器は常に清潔にしておきましょう。 洋式の便器の場合は、便座をトイレクリーナーなどで拭き、便座カバーの使用は控えましょう。 その後の手洗いは徹底するようにしましょう。
  3. お風呂に入るときはできるだけシャワーにし、浴槽を使う時は 入浴は最後に、残り湯は捨て浴槽をよく洗い流し、特に乳幼児との混浴は行わないようにしましょう。
  4. 衣類の洗濯は家族とは別にし、漂白剤(次亜塩素酸)などによく浸した後、洗いましょう。 その後、乾燥機や天日で十分に乾燥させましょう。
  5. 食器は漂白剤等によく浸した後、洗剤と流水で洗い、十分に乾燥させましょう。
  6.  寝具、布団は天気の良い日に十分干しておきましょう。
  7. 食物は充分加熱調理し、すぐに食べましょう。冷蔵庫を過信せず、特に幼児が食べる物は保存するのはお勧めできません。
  8. なまものと調理済みの食物を一緒にしないようにしましょう。
  9. 台所を清潔に保ち、皿や台所用品に触れたふきんはこまめに替え、煮沸等清潔にしてください。

 

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