ダニによる気管支喘息、鼻炎、アトピー性皮膚炎等のアレルギー性疾患が目だっています。

日本の家屋内で見られるダニは、ざっと百種類以上とも言われ、多くは1ミリ以下でなかなか肉眼で確かめることは困難ですが、ダニに対してアレルギー体質を有するかどうかは、血液検査で比較的簡単に確かめることが出来ます。

ダニは高温多湿(気温20ー30度、度60ー80%)を好み、室内塵、カビ、フケ、アカ、食品クズ等を食料とし、布団、畳、じゅうたん、ソファ、ぬいぐるみ、厚手のカーテン等を産卵・繁殖の場としています。

従って日本の気候環境では、6月から9月にかけてが最もダニ被害の多い期間となりますが、最近は空調設備が普及し家屋の気密性が高まり、じゅうたんやソファが好まれ、また核家族化・共働き等で昼間の換気や掃除、寝具や畳の日光干しなどがままならぬことなど、ダニが生息しやすい環境が維持されるため、年間を通じてダニアレルギーが見られるようになっています。

ダニ被害を予防するには、ダニの生息しやすい環境を断つことに尽きます。

ダニアレルギーの患者さんの居られるご家庭では、換気や除湿機等で湿度を60%以下に保ち、ダニ用掃除機などで頻回に畳・寝具・ソファ等を掃除しダニやダニの食料を物理的に除去してください。

日干しを励行し、じゅうたん等不用の物は使用せず、衣類、シーツ等はこまめに洗うことを心掛けて下さい。

布団乾燥機、殺虫剤や防虫紙も効果的ですが、一時的に駆除は出来ても家中のダニを全滅させることは不可能ですし、ダニの繁殖力は一匹が約3ヵ月で6億匹に増えるほど強く、死骸や糞もアレルギー源となること等から、毎日のこまめな掃除にすぐるものは無いと言えます。

また冬場の加湿器の使用は翌夏の大量繁殖に結びつきやすく、注意を要します。