慢性肝炎や肝硬変など慢性肝臓病の食事療法の基本的考え方について述べます。
肝臓には体内の不要物を『分解解毒』したり、栄養素から人体に必要な化合物を『産生』したり、栄養素を『貯蔵』する働きがあります。
従ってこれらの働きを踏まえた食事療法を行なう必要があります。
- 栄養は必要量を過不足無く、適切にとる。多すぎても肝臓への負担を増すことになる。
- 肝臓細胞の再生回復に必要な蛋白質(卵、牛乳、鳥肉、いわし、さんま、しじみ、大豆製品等)を充分摂取する。
- 肝臓の貯蔵力低下によりビタミンやミネラル(鉄分等)が不足しやすいのでこれらを充分摂取する。
- 脂肪や糖質は特に制限しないが過食肥満に注意する。
- 肝臓の負担軽減のため、食物繊維(昆布、ひじき、ぜんまい、豆類等)の摂取により便秘を避け、腸管内老廃物の排泄を促す。
- 原則として禁酒し肝臓の分解解毒機能に負担をかけないようにする。
肝硬変の増悪期には、症状により塩分制限、水分制限、蛋白制限等が必要となります。医師の指導に従ってください。