コレステロールの管理が成人病予防の重要なポイントであることは、既に周知のことと思いますが、豊かな食生活を反映してか、市健診や職場健診などで、コレステロール高値を指摘される方はまだまだ多いようです。

高脂血症については、この医師会だよりでも、既にとりあげ、その成り立ちや病的意義、成人病との因果関係、管理法などについてご説明したことがありますが、今回は復習の意味も込めて、ご家庭で実践すべき、日常生活や食事上の注意事項等につきご紹介しますので、もう一度確認して下さい。

  1. 動物性脂肪(悪玉コレステロール)をさける
    • 肉類の目に見える脂肪は出来るだけ取り除く
    • 肉類の加工食品はさける
    • 魚類の脂肪は善玉コレステロールを含有し食して良い
    • 魚の卵類(たらこ、かずのこ、いくら等)、レバー、貝類はさける
    • 鶏卵は一日一個まで
    • 牛乳や乳製品は低脂肪のものを選ぶ
    • バターは止める
    • ラード、ベーコン、フライは止め、焼く、蒸す、ゆでる、ふかす等料理法を変える
  2. 植物性脂肪(善玉コレステロール)を積極的にとる
    大豆製品(豆腐、おから等)、マーガリン、植物油は良い
  3. 食物繊維を積極的にとる
    茸、野菜、果物、小豆、栗、こんにゃく等は悪玉コレステロールの吸収を低下させる
  4. 炭水化物(甘味、ご飯類)の過食は中性脂肪を増加させ、善玉コレステロールを低下させる
  5. 過食肥満を避け、適度な運動を励行し、体内の脂肪代謝を円滑にたもつ
  6. 適量の酒類(酒では一合、麦酒は一本位まで)は善玉コレステロールを増加するが、喫煙は、低下させる

 

以上の注意事項は高コレステロール血症の治療管理の基本事項ですが、遺伝的体質や原因によっては薬物治療が欠かせません。