医学的にも効果があるとされているかぜの予防法やひいてしまった時の注意事項等を紹介してみます。

かぜとは何か

医学的にかぜとは 200種類以上のウイルスを病原体とする普通感冒(主として鼻、喉、気管支等の上気道の症状、軽い頭痛、発熱等を来し、比較的軽症で 1週間前後で消退するもの)を指し、ウイルスの違いにより、喉症状がつよく下痢を伴なう夏かぜ型、鼻症状を主とする鼻かぜ型、気管支炎症状を主とする気管支炎様かぜなど、様々なタイプがある。

全身症状の強いインフルエンザは厳密にはかぜには含まれないが、一般的な予防法や注意事項は共通である。1年に小児が 5ー7回、 成人で 3ー4 回ひくといわれている。

抵抗力について

かぜのウイルス等の病原体に対する抵抗力は、身体に備わっている様々な感染防御システムが組み合わされ成り立っている。たとえば皮膚や粘膜は、汗、唾液、涙等の分泌物や繊毛運動の働きによって、外界からの病原体の侵入を物理化学的にくい止めている。
病原体がこれらの関門を破って体内に侵入し感染すると、白血球やリンパ球などを代表とする免疫担当細胞が働きこれを排除する。感染が成立するかどうかは 病原体の数や種類による感染力の強さと、それを迎え撃つ抵抗力の微妙なバランスの上に成り立っている。
従って病原ウイルスをいかに身近から排除し、抵抗力をいざという時の為に増強し維持しておくかが、感染防御対策の要点となる。
医学的にかぜとは 200種類以上のウイルスを病原体とする普通感冒(主として鼻、喉、気管支等の上気道の症状、軽い頭痛、発熱等を来し、比較的軽症で 1週間前後で消退するもの)を指し、ウイルスの違いにより、喉症状がつよく下痢を伴なう夏かぜ型、鼻症状を主とする鼻かぜ型、気管支炎症状を主とする気管支炎様かぜなど、様々なタイプがある。
全身症状の強いインフルエンザは厳密にはかぜには含まれないが、一般的な予防法や注意事項は共通である。1年に小児が 5ー7回、 成人で 3ー4 回ひくといわれている。

予防法・注意事項あれこれ

◆流水で手を洗う
ウイルスは咳やくしゃみを介し、直接人から人へ伝染するばかりでなく、むしろいったん家具や器物に飛散し付着していたウイルスが、手を介して口や鼻に運ばれ感染することが多く、こまめに流水で30秒以上手を洗うことは病原体の排除に有効である。

◆うがいをする
まめにうがいをすることは、喉や口腔内の粘膜に付着したウイルスの数を減らし、予防にある程度の効果がある。また、かぜをひいてしまった場合に、細菌による二次感染を予防したり、ウイルスを他の人にうつさない為にも有効。

◆栄養・睡眠を保ち運動をする
偏食を避け、運動をよくおこない睡眠を十分にとり、全身的に体力を増強することは、感染防御システムが円滑に作動する為の基礎となる。

◆薄着の習慣をつける
薄着の習慣をつけたり、入浴後に冷水摩擦をしたりすることは、寒暖差に対する自律神経の対応力を高め、皮膚の抵抗力を増す為に有効である。

◆かぜをよぶ他の病気を治す
蓄膿症、鼻アレルギー、慢性扁桃腺炎、慢性気管支炎、喘息など、上気道の慢性疾患を適切に治療し上気道粘膜の防御力を維持する。糖尿病や血液疾患等、免疫を低下させる疾患を治療する。

◆予防接種をうける
インフルエンザについては予防接種がおこなわれている。流行が予測されるウイルスの情報をあらかじめ、免疫担当細胞に与え、免疫力を準備し抵抗力を高めておくことに有効である。たとえ感染してしまった場合でもかるくすむ。だだし流行株の予測が外れると、あまり効果がない。

◆ひきはじめたら体を温かく保つ
マスクをしたり、温かいスープを飲んだり、卵酒を飲んだり、重ね着をしたりして、体や感染局所を保温することは、上気道の粘膜の粘液や繊毛の働きを活発にし、ウイルスの増殖を抑制する効果がある。
ただし過度の飲酒は免疫活動を抑制し逆効果であり、高熱時は冷却したほうがよい場合もあり、医師の指導を受けること。

『かぜは万病のもと』
この言葉にはたくさんの意味が含まれている。

合併症に注意すること

無理をし治療を怠ると、肺炎、髄膜炎、心筋炎、中耳炎等々、様々な合併症をひきおこす。

風邪類似の他疾患に注意する

かぜに似た症状で発症する疾患は数多あり、油断せぬこと。たとえば、アレルギー性疾患、かぜ以外のウイルス感染症、溶連菌等の細菌感染症、マイコプラズマ、結核、肺癌、急性肝炎等々。

潜在的な基礎疾患に注意する

感染を繰り返す時には、体力や免疫力を低下させ、かぜにかかりやすい状態をまねく基礎疾患が潜在していることがある。たとえば糖尿病、免疫不全症、白血病、悪性腫瘍等。
たかがかぜ、されどかぜである。